司法書士武田剛志事務所

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相続人以外に遺産を渡したい場合の注意点

生前にお世話になったひとや事実婚の配偶者に遺産を残したいと考えた場合、事前に準備が必要です。
今回は、相続人以外に遺産を渡したい場合の注意点について考えていきたいと思います。

相続人以外に遺贈したい場合には遺言書が必要

相続人以外に財産を残したいと考えた場合、遺言書でご自身の意思を示す必要があります。
というのも、法律では亡くなった方(以下被相続人)の遺産を承継できる権利を、原則として相続人にしか認めていないからです。
そのため、相続人以外の方に財産を譲りたいときには、事前に遺言書を作成しなければなりません。

相続人以外に財産を遺贈したいときの注意点

相続人以外の方に財産を遺贈する場合に、遺言書を作成するときの注意点として主に次のようなものがあります。

  • 遺贈する財産を明確に記載する
  • 遺留分を考慮する

それぞれ確認していきましょう。

遺贈する財産を明確に記載する

相続人以外の方に遺贈する場合の注意点として、明確に渡したい財産を指定することが考えられます。
遺贈には、包括遺贈と特定遺贈という2つがあり、違いはそれぞれ次のとおりです。

■包括遺贈
包括遺贈とは、財産全体について配分の割合を指定して遺贈することなどをいいます。
包括遺贈を受けたひとを包括受遺者といい、相続人と同等の権限を持ちます。

■特定遺贈
特定遺贈とは、明確に特定の財産を指定して遺贈することをいいます。
特定遺贈を受けたひとを特定受遺者といいます。

包括遺贈した場合、その受遺者は、プラスの財産だけではなく、遺産に債務が含まれていた場合、返済義務なども負うことになります。
また、特定遺贈であれば、「遺贈を受け取らない」ということを、特別な手続きをせずに、いつでも行うことが可能です。
しかし、包括受遺者の場合、遺贈の開始を知った日から3か月以内に、家庭裁判所へ遺贈の放棄の申立て、認めてもらわなければなりません。
そのため、相続人以外の者に財産を渡したい場合、明確に指定して、特定遺贈を行った方が良いといえます。

遺留分を考慮する

相続人以外に遺贈するときの注意点として、遺留分を考慮することが考えられます。
遺留分とは、兄弟姉妹以外の相続人に保障されている遺産の取り分のことを指します。
遺言によって相続人以外の方に多くの財産を遺贈した場合、相続人の遺留分を侵害した場合、相続人と遺留分のトラブルに発展してしまう可能性があります。
したがって、相続人以外の方に財産を遺贈する際には、遺留分を超えないよう、事前に確認しておくことが大切です。

まとめ

今回は相続人以外に遺産を渡したい場合の注意点について考えていきました。
相続人以外の方に遺産を渡したい場合、遺言書でその旨を残さなければなりません。
しかし、遺言の書き方があいまいだったり、遺贈する額が高額すぎたりした場合には、トラブルに発展する可能性があるので、ご不安な方は司法書士への相談を検討してみてください。